2006年末に設立された東京のレコード・レーベル。
the nation’s premier label for hushed music – Pitchfork
Flau releases are sonically quite diverse, from acoustic folk to dream pop and complex drum experiments. And though eclectic, never before has a label’s oeuvre come together to so closely sound the way a cherry blossom looks – The FADER
one of the biggest names in the world of really small sounds…the perfect soundtrack to a Sunday evening – Timeout Tokyo
consistently impressive – XLR8R
Flau has associated itself with a signature sound…association with Flau suggests a superior level of pop craftsmanship…What’s remarkable about Fukuzono’s project, which launched at the end of 2006, is that he’s achieved quality control without uniformity – exclaim!
Flau has shown that sometimes silence beats flashiness – METROPOLIS Magazine
flau seem to have a magic touch; everything they put out..has a celestial, positively glowing aura about it that has us longing for more..sonically the label is incredibly diverse, but what its releases share in common are a playful curiosity, an unmatchable quality and a genre-bending commitment to evoking time and space within their sounds – DUMMY
Flau label casts its net across a worldwide community of artists with a particular affection for fragile arrangements and microscopic songwriting…A reliable resource for all the finest, quirkiest exploratory electronic pop music – Boomkat
it combines genuine emotion with a sense of playfulness – Fluid Radio
everyone’s favourite Japanese label and, of course, we make no exception – Going Solo
constantly surprising, consistently stunning – Dummy
un monde de l’infiniment fragile et doux – Ondefixe
one of our favourite labels – Textura
Flau are one of those unassuming labels, which since 2007 have been quietly making their way in the world releasing a diverse range of high quality albums…their roster of international artists blend field recordings, acoustic instruments, microsounds, and voice, in a sound that has become truly synonymous with the label – Furthernoise
worth finding – Foxy Digitalis
grow, pushing boundaries and releasing gems – Drifting, Almost Falling
An inner experience and pure fascination to little things concept and microscopic sounds. FLAU is the latest Label Of The Moment – Otsechka
the Tokyo label’s dreamy and cinematic aesthetic seems tailor-made for two favourite hobbies: idleness and letting the imagination run wild – Solar Flares
This label collects very particular artists from all over the world all under one roof that eclectically holds them together. Each artist is so unique, that you would like to read a whole book about them – PonyDanceClyde
2008-09 London, Cafe OTO
2009-09 Melbourne, Toff In Town
2010-08 Berlin, Altes Finanzamt
2012-05 Malaysia, Black Box Map
2012-05 Macau, LMA
2012-05 China Tour Beijing-Shanghai-Hangzhou
2012-06 Tokyo, Fujimigaoka Church & VACANT
2012-06 Kyoto, Metro
2013-04 London, Cafe OTO
2013-04 Berlin, Antje Øklesund
2013-12 Tokyo, VACANT
2016-03 Tokyo, VACANT
SEE FULL LIST
©FLAU
ラジオゾンデ(radiosonde:気象観測気球の意)のふたりが奏でるのは、とても静かな音楽です。核になる=判りやすいメロディやリズムとい うものがありません。ギターを主体とした音と電子機器による音の残像は、ゆるやかに変化をしながらも旋律になることはなく、どこまで行っても音のままで す。質量のある空気感と音と音響とで出来上がっている、とても居心地のいい空間です。(ユニット名のまま)空宙に浮かんでいるような、はたまた、水中を 漂っているような、浮遊した感覚です。同時に、その場に溶け入ってしまうような淡さもあります。漠然とですが、(理性とは相反する)日本的な情緒を感じま す。
このように書くと、「それってアンビエントとかって言うんでしょ」となりそうですが、それとは違います。ここには環境(アンビエント)音楽やヒーリング(癒し)音楽の特徴である、音楽自らの存在を感じさせないことを目的とする“匿名性”はありません。
更には、或る特定の気分や気持ちに誘導するような作為的なところもなく、これが“自分達の音楽”なんだ、という嫌味のない思いが伝わってきます。
青木隼人と津田貴司のふたりで組むラジオゾンデは、2009年にアルバム『sanctuary』でデビューをしました。それは、ギターやクロマハープ (オートハープとも呼ばれる30数弦から成る小型の弦楽器)と電子機器による音響処理とで描く、空間と景観にこだわった「気球から眺めた音の風景画」をイ メージしたものでした。譜面に書かれたものを演奏するのではなく、即興で演奏する(多分、ギターの)音の断片に、呼応する音を補足し、編集することで輪郭を構成したものです。少ない音数と細心の気遣いを払った録音による、音の呼吸といった趣があります。ミ二マルな音楽にありがちな硬質な感じは無く、絵に例えれば、グラフィックではなく絵画であり、それも油絵ではなく水彩画の感じでしょうか。
そんな彼らの2枚目のアルバムが『radiosonde』です。
基本的には前作での方法を踏襲し発展させた内容なのですが、開放感と風通しの良さは格段に上がりました。1枚目ではあまり感じることがなかった自由さと (微かですが)躍動感もあります。自らの名をアルバム・タイトルとしたことへの自負なのかもしれません。
メンバーの青木隼人は「注意して聴いてほしいという点は?」という質問に対して、以下の答えを送ってくれました。
①場所と空気を含めた録音:ライン録音したものを(東京オペラシティにある)近江楽堂でスピーカーを通して再生し、空気中に流れるその音をマイクで再度録音しています。
②即興性と構築性のせめぎあい:基本的に即興演奏の繰り返しで曲を構成していますが、何曲かはまったくの即興演奏を編集しただけです。
③sawakoさん、庄司広光さんとのコラボレーション:ある程度編集した音源をNYで生活しているSAWAKOさんに送り、仕上げを依頼。庄司さんには、マイクの立て方などの録音のアプローチから関わってもらい、音を作っていきました。
①は、音と音楽を波長としてではなく、振動として捉えたいということなのでしょう。考えるのではなく感じる音楽=今作の開放感はこのようなことから生れて いるように思います。前作も同様の手法を取っているのですが、今回の方が上手に広がりを出せています。
②の作風解説は、そのまま、自由度の増した音楽の説明になっています。
③は、共同作業をすることで“今”の自分たちの音が完成するということなのでしょう。音楽の幅が広がったのもこの効果なのだと思います。
冒頭にも書いたように、ここには判りやすいメロディやリズムというものがありません。わずか一音で心を鷲づかみにするような劇的な展開もありません。ですから、店頭の試聴機で聴いてもピンと来ないかもしれません。
しかし、聴くとは無しに(何度も)聴くことで、確実に開放感を味わえます。切ないまでにゆっくりゆっくり気持ちがほぐれていくのも判ります。大量生産=大量消費されることのない音楽が持つ純粋さと真面目さがあります。
だれ彼構わずに薦めようとは思いませんが、きっと気に入ってくれるだろう数人を思い浮かべることは容易に出来ます。僕自身、とても気に入っています。
酒井謙次
Radiosonde is made up of Hayati Aoki and Takashi Tsuda, whose individual works can also be found in labels like Grainfield and Starnet Muzik. After the release of the successful debut album ”Sanctuary” 2009 only, in Japan the duo came together again a year later and conceived this beautiful self-titled second album. ”Radiosonde” is a brilliant documentation of delicate improvisation takes of guitar and autoharp by the duo. With subtle edits and heart-warming sound recording, radiosonde gently portrayed in this album – landscape of sounds, watching from a floating weather balloon above. And thus are the sense of freedom, and the vibrant feeling of joy.
“Radiosonde” is also blessed with wonderful support from some of the most talented artists around: sawako (12K) and Hiromits Shoji (soundworm) appeared as guest musicians, while the brilliant painter / illustrator, nakaban, contributed to the gorgeous artwork.
01 up to the sky / altum
02 blue flag on the hill
03 westerlies
04 monsoon
05 cirrus
06 equinox
07 cumulonibus
08 troposphere09 green path
10 windcoming
11 april
gentle metallic sounds subtly color the texture as the two instruments spiral around each other, moving in and out of time to create a shifting, hypnotic effect – Tokafi
twinkling finger-style reflection of downtempo perfection for snowfall – Ambiance Glitters
sophisticated sense of calm meditative ambience – Cyclic Defrost
such a quiet, peaceful, gentle and narcoleptic album – Devics
truly heartwarming album of gentle and tender acoustic guitar plucking, autoharp and blissful drones – Norman Records
no gauze, no fog through which to listen – Sonomu
1曲目の出だしからやられます。ぼくはこんな実直で端然としたディレイを知らない。めまぐるしい情報の激流に、すーっと棹をさすような宣言としてのディレイ。 – FALL
CAT No. FLAU18
Release Date: May 10th 2010
Format: CD / Digital
01 up to the sky / altum
02 blue flag on the hill
03 westerlies
04 monsoon
05 cirrus
06 equinox
07 cumulonibus
08 troposphere09 green path
10 windcoming
11 april
ラジオゾンデ(radiosonde:気象観測気球の意)のふたりが奏でるのは、とても静かな音楽です。核になる=判りやすいメロディやリズムとい うものがありません。ギターを主体とした音と電子機器による音の残像は、ゆるやかに変化をしながらも旋律になることはなく、どこまで行っても音のままで す。質量のある空気感と音と音響とで出来上がっている、とても居心地のいい空間です。(ユニット名のまま)空宙に浮かんでいるような、はたまた、水中を 漂っているような、浮遊した感覚です。同時に、その場に溶け入ってしまうような淡さもあります。漠然とですが、(理性とは相反する)日本的な情緒を感じま す。
このように書くと、「それってアンビエントとかって言うんでしょ」となりそうですが、それとは違います。ここには環境(アンビエント)音楽やヒーリング(癒し)音楽の特徴である、音楽自らの存在を感じさせないことを目的とする“匿名性”はありません。
更には、或る特定の気分や気持ちに誘導するような作為的なところもなく、これが“自分達の音楽”なんだ、という嫌味のない思いが伝わってきます。
青木隼人と津田貴司のふたりで組むラジオゾンデは、2009年にアルバム『sanctuary』でデビューをしました。それは、ギターやクロマハープ (オートハープとも呼ばれる30数弦から成る小型の弦楽器)と電子機器による音響処理とで描く、空間と景観にこだわった「気球から眺めた音の風景画」をイ メージしたものでした。譜面に書かれたものを演奏するのではなく、即興で演奏する(多分、ギターの)音の断片に、呼応する音を補足し、編集することで輪郭を構成したものです。少ない音数と細心の気遣いを払った録音による、音の呼吸といった趣があります。ミ二マルな音楽にありがちな硬質な感じは無く、絵に例えれば、グラフィックではなく絵画であり、それも油絵ではなく水彩画の感じでしょうか。
そんな彼らの2枚目のアルバムが『radiosonde』です。
基本的には前作での方法を踏襲し発展させた内容なのですが、開放感と風通しの良さは格段に上がりました。1枚目ではあまり感じることがなかった自由さと (微かですが)躍動感もあります。自らの名をアルバム・タイトルとしたことへの自負なのかもしれません。
メンバーの青木隼人は「注意して聴いてほしいという点は?」という質問に対して、以下の答えを送ってくれました。
①場所と空気を含めた録音:ライン録音したものを(東京オペラシティにある)近江楽堂でスピーカーを通して再生し、空気中に流れるその音をマイクで再度録音しています。
②即興性と構築性のせめぎあい:基本的に即興演奏の繰り返しで曲を構成していますが、何曲かはまったくの即興演奏を編集しただけです。
③sawakoさん、庄司広光さんとのコラボレーション:ある程度編集した音源をNYで生活しているSAWAKOさんに送り、仕上げを依頼。庄司さんには、マイクの立て方などの録音のアプローチから関わってもらい、音を作っていきました。
①は、音と音楽を波長としてではなく、振動として捉えたいということなのでしょう。考えるのではなく感じる音楽=今作の開放感はこのようなことから生れて いるように思います。前作も同様の手法を取っているのですが、今回の方が上手に広がりを出せています。
②の作風解説は、そのまま、自由度の増した音楽の説明になっています。
③は、共同作業をすることで“今”の自分たちの音が完成するということなのでしょう。音楽の幅が広がったのもこの効果なのだと思います。
冒頭にも書いたように、ここには判りやすいメロディやリズムというものがありません。わずか一音で心を鷲づかみにするような劇的な展開もありません。ですから、店頭の試聴機で聴いてもピンと来ないかもしれません。
しかし、聴くとは無しに(何度も)聴くことで、確実に開放感を味わえます。切ないまでにゆっくりゆっくり気持ちがほぐれていくのも判ります。大量生産=大量消費されることのない音楽が持つ純粋さと真面目さがあります。
だれ彼構わずに薦めようとは思いませんが、きっと気に入ってくれるだろう数人を思い浮かべることは容易に出来ます。僕自身、とても気に入っています。
酒井謙次
Radiosonde is made up of Hayati Aoki and Takashi Tsuda, whose individual works can also be found in labels like Grainfield and Starnet Muzik. After the release of the successful debut album ”Sanctuary” 2009 only, in Japan the duo came together again a year later and conceived this beautiful self-titled second album. ”Radiosonde” is a brilliant documentation of delicate improvisation takes of guitar and autoharp by the duo. With subtle edits and heart-warming sound recording, radiosonde gently portrayed in this album – landscape of sounds, watching from a floating weather balloon above. And thus are the sense of freedom, and the vibrant feeling of joy.
“Radiosonde” is also blessed with wonderful support from some of the most talented artists around: sawako (12K) and Hiromits Shoji (soundworm) appeared as guest musicians, while the brilliant painter / illustrator, nakaban, contributed to the gorgeous artwork.