Ulises Conti Atlas

CAT No. FLAU37
Release Date: Japan - October 6th / Europe & USA - October 14th 2013
Format: CD/Digital

想像力を掻き立てる静かな音楽

ウリセス・コンティのソロキャリア10年をまとめたアルバム『Atlas』は、これまでに発表した5枚のソロ・アルバムからの14曲と新曲で構成されています。
「彼の音楽に初めて触れる人にも親しみを持ってもらう」ことを念頭に、選曲は本人とflauが担当しています。
選者の意図通り、アルバムの印象は(ピアノやギターを中心とした室内楽的な)静かな心地良さに満ちています。
“呼吸のしやすい”静かさ、言い換えれば、“息詰まることのない”緊張感とでもいう感じでしょうか。
作り込んでいるものの、決して空間を埋め尽くさない(作り過ぎることのない)音作りは前向きな広がりと親しみを創り出します。楽譜に書かれた音符を奏でるだけでは得られないセンスの良さが光ります。時にはロック的ですらあるグルーヴ感も隠し味にした、いい感じの静かさです。
インターネット上での彼への評価や感想を読むと「映像的/映画的」という言い方をされていることが多いのですが、それは、聴き手の気持ちを拡大させ、想像力の入り込む余白を残しているからだと思います。
(個人的な感想として、という但し書き付きですが)2000年代に入ってから世界各地、特に東京・ポートランド・ブエノスアイレスという地域で“同時多発的”に、新しく瑞々しい自由度の高い音楽が一斉に生まれた瞬間がありました。
2003年に発表されたウリセスの最初のアルバムは、正にこの時期のものです。彼の自由度の高さはこういった時代と現場を経験したことも無縁ではないと思います。
ゆるやかに変化するウリセスの世界。このアルバムはほんの入口です。もう一歩進むことで、更なる想像の広がりと心地良さを味わえます。

text by 酒井謙次

モダン・クラシカル、エレクトロニカ、アンビエント、ガレージロックとボーダーレスに活躍し、そのイマジネイティブな孤高のサウンドスケープで注目を浴びるアルゼンチン・ポスト音響派の貴公子Ulises Conti。
過去10年に及ぶソロキャリアからセレクトされた楽曲は、洗練された優雅さと深い叙情性を持ったピアノ・ソロ、ヴィオラやバイオリンとのメランコリックな掛け合いが美しいクラシカル作品、まるで深海の中にいるようなアンビエント、アメリカーナのニュアンスを見事に取り込んだ牧歌的フォークトロニカまで、バラエティ豊かな全編を通し、耽美かつ映像的なUlises独自の美的感覚が貫かれた集大成的作品になっています。

 

Atlas 2003 – 2013 / Selected work

Atlas collects what could be considered Ulises Conti’s most distinguished recording works throughout his 10-year solo career. The selection reveals a great sound display that generates musical spaces and landscapes of a beauty that is unusual in today’s scene, which stresses the timbral element (piano, French horn, viola, lap steel, etc.) This is only a brief sample from his productions as a musician, because his work also expands on other disciplines such as film, visual arts, dance and theater, as the composer of soundtracks, installations and other sound research projects. He is one of the Argentine composers with the most potential and international projection considering his powerful and inspiring work.

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Track List

Album Preview

 

01 Cañones ocultos entre las flores

02 Budapest

03 El chico de la moto

04 Manuel

05 West Hollywood

06 La sed

07 Canción de despedida

08 Museo de la tentación

09 Playa nevada

10 Extrañas luces caen del cielo

11 Adivinación en lagos

12 Cuarto suspendido

13 Luz de un cuerpo

14 Preludio

15 Distancias olvidadas

Press Quotes

Contemporary and contemplative, Atlas is a timely celebration of an artist in his prime. –A Closer Listen

a collection of solitary pieces of music for the solitary listener, very beautiful – Norman Records

all it’s beautiful, solitude state reminds the listener of Erik Satie or Claude Debussy. Melancholic, atmospheric – Vital Weekly

“Atlas” propone un ampio compendio di brevi composizioni incentrate sul pianoforte, miniature animate da calore latino e sovente velate da trasparenze diafane. In oltre un’ora di durata – Music Won’s Save You

The music’s evocative quality lends support to the idea of Conti as a natural film composer, especially when a few passages exude a Nino Rota-like character…a portrait of Conti the composer, and a consistently satisfying one it is at that. – Textura

シンプルなピアノ曲を主軸にした曲、アコースティック・ギター、ストリングスなどの滑らかな楽器群の質感を活かしたモダン・クラシカル、フォークトロニカ、荘厳さも帯びたシンフォニーまで間断されず、流れを大事に編まれている叮嚀なコレクションだと思う。 – Rays Of Gravity

Ulises Conti Atlas

CAT No. FLAU37
Release Date: Japan - October 6th / Europe & USA - October 14th 2013
Format: CD/Digital

Track List

Album Preview

 

01 Cañones ocultos entre las flores

02 Budapest

03 El chico de la moto

04 Manuel

05 West Hollywood

06 La sed

07 Canción de despedida

08 Museo de la tentación

09 Playa nevada

10 Extrañas luces caen del cielo

11 Adivinación en lagos

12 Cuarto suspendido

13 Luz de un cuerpo

14 Preludio

15 Distancias olvidadas

想像力を掻き立てる静かな音楽

ウリセス・コンティのソロキャリア10年をまとめたアルバム『Atlas』は、これまでに発表した5枚のソロ・アルバムからの14曲と新曲で構成されています。
「彼の音楽に初めて触れる人にも親しみを持ってもらう」ことを念頭に、選曲は本人とflauが担当しています。
選者の意図通り、アルバムの印象は(ピアノやギターを中心とした室内楽的な)静かな心地良さに満ちています。
“呼吸のしやすい”静かさ、言い換えれば、“息詰まることのない”緊張感とでもいう感じでしょうか。
作り込んでいるものの、決して空間を埋め尽くさない(作り過ぎることのない)音作りは前向きな広がりと親しみを創り出します。楽譜に書かれた音符を奏でるだけでは得られないセンスの良さが光ります。時にはロック的ですらあるグルーヴ感も隠し味にした、いい感じの静かさです。
インターネット上での彼への評価や感想を読むと「映像的/映画的」という言い方をされていることが多いのですが、それは、聴き手の気持ちを拡大させ、想像力の入り込む余白を残しているからだと思います。
(個人的な感想として、という但し書き付きですが)2000年代に入ってから世界各地、特に東京・ポートランド・ブエノスアイレスという地域で“同時多発的”に、新しく瑞々しい自由度の高い音楽が一斉に生まれた瞬間がありました。
2003年に発表されたウリセスの最初のアルバムは、正にこの時期のものです。彼の自由度の高さはこういった時代と現場を経験したことも無縁ではないと思います。
ゆるやかに変化するウリセスの世界。このアルバムはほんの入口です。もう一歩進むことで、更なる想像の広がりと心地良さを味わえます。

text by 酒井謙次

モダン・クラシカル、エレクトロニカ、アンビエント、ガレージロックとボーダーレスに活躍し、そのイマジネイティブな孤高のサウンドスケープで注目を浴びるアルゼンチン・ポスト音響派の貴公子Ulises Conti。
過去10年に及ぶソロキャリアからセレクトされた楽曲は、洗練された優雅さと深い叙情性を持ったピアノ・ソロ、ヴィオラやバイオリンとのメランコリックな掛け合いが美しいクラシカル作品、まるで深海の中にいるようなアンビエント、アメリカーナのニュアンスを見事に取り込んだ牧歌的フォークトロニカまで、バラエティ豊かな全編を通し、耽美かつ映像的なUlises独自の美的感覚が貫かれた集大成的作品になっています。

 

Atlas 2003 – 2013 / Selected work

Atlas collects what could be considered Ulises Conti’s most distinguished recording works throughout his 10-year solo career. The selection reveals a great sound display that generates musical spaces and landscapes of a beauty that is unusual in today’s scene, which stresses the timbral element (piano, French horn, viola, lap steel, etc.) This is only a brief sample from his productions as a musician, because his work also expands on other disciplines such as film, visual arts, dance and theater, as the composer of soundtracks, installations and other sound research projects. He is one of the Argentine composers with the most potential and international projection considering his powerful and inspiring work.

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